青森県の歯とお口の健康、歯科について 一般社団法人「青森県歯科医師会」のウェブサイト

お口の中の病気Illness in mouth

歯周病の主役たち

歯周病の原因は、歯と歯ぐきの間の歯垢(プラーク)です。このプラーク中の細菌による炎症疾患が歯周病ですが、酸素がなくても生きられる嫌気性菌と呼ばれるものです。
これらの歯周病菌は、内毒素(エンドトキシン)を持っています。内毒素の病原性は、熱をだしたり、骨を溶かしたり、血糖値をあげたりします。
代表的な細菌はポルフィロモナス・ジンジバリス、スピロヘータ、アクチノバチラス・アクチノマイセテムコミタンスなどがあります。

歯周病

歯周組織(歯を支えている組織)からはじまり、歯周組織を破壊し、その機能を侵す病的状態です。
歯周病は、歯肉にのみ炎症が生じている歯肉炎と、歯の根を支えている骨などの深部歯周組織に炎症が及んだ歯周炎に分けられます。

歯肉炎

歯ぐきが赤く、ブヨブヨになってはれてきます。出血が見られることもあります。口腔内を清潔にすること(プラークコントロール)ができれば、ほとんどの歯肉炎は治ります。

初期の歯周炎

歯周ポケットができ、歯を支える骨も破壊されます。歯肉がはれてきます。

中期の歯周炎

歯を支える骨が破壊され、少し動くようになります。出血が見られるだけでなく、膿も出るため、口臭もひどくなります。

重症の歯周炎

歯を支える骨がほとんどなく、グラグラになって噛めなくなります。口臭もひどく、歯周ポケットの細菌は、歯ぐきの細胞を通り抜け、血流に流れ込むようになります。

歯垢(プラーク)

歯垢は細菌と、その代謝産物のかたまりです。

歯石・・・歯垢が石灰化して固くなったものです。

歯周病と全身疾患

歯周病菌は、血液の流れにのって全身へ飛び散り、いろいろな臓器や器官に侵入します。
歯周病原菌はさまざまな疾患にかかわっています。

歯周病治療はチームワークから

歯周病の予防、治療の主役はあなた自身です。なぜなら歯周病は、糖尿病や高血圧と同じような日常的な健康管理が必要な病気だからです。
歯周病の治療は、口腔内を清潔にすること(プラークコントロール)が基本です。患者自身で行う歯磨き(ブラッシング)と、歯科医師・衛生士による歯石の除去、歯面清掃が必要です。

歯科医師・衛生士による歯石の除去、歯面清掃

お口の清掃のために

歯ブラシの選び方について

「大は小を兼ねる」とは昔からよく言われることわざで、大きいものは小さいものの代わりに使えるという意味ですが、歯ブラシ選びに限ってはこのことわざが当てはまらないのです。
なぜなら、大きな歯ブラシではどうしても磨きにくい場所が多く、磨き残しをしてしまうことが多いのです。
ブラッシング指導をするときに患者さんが持参してくる歯ブラシを見ると、全体的に大きく硬い毛のものを使用している傾向があり、中には使いすぎから毛先が広がっているものも見られます。
大きい歯ブラシは毛先の当たっているところの歯垢は良く落とすことができますが、歯と歯茎(はぐき)の境目や親知らずを磨くときに毛先を届かせるために大変苦労します。
また、毛先の広がった歯ブラシも歯と歯茎の境目や歯と歯の間を上手く磨くことができませんので現在ご使用されている歯ブラシを裏側から見て毛先がはみ出ているようなら買い替えの時期です。
それでは、現在はいろいろな種類の歯ブラシが販売されていますが、どのような歯ブラシを選んだら良いか少しアドバイスをしましょう。
まず、ブラシ部分の形は平坦で、毛先が丸くなっているものや毛先に向かってだんだん細くなっていて歯や歯茎を傷つけにくいように配慮されているものが良いでしょう。
大人では毛の長さが10ミリ程度のもので毛の硬さは磨く方法によって変わってきますが、最近では毛先を使って歯周ポケットの汚れを取り除くブラッシング方法が主流になっていることからやわらかいものを使うようになってきています。
特に歯茎が腫れたりしているときはやわらかめがいいでしょう。
歯や歯茎には個人差がありますし、歯並びによっても違ってきますので、歯科医院でご相談下さい。

お口の中の病気Illness in mouth