歯科医師会の取り組みInitiatives of the Dental Association
青森県民の皆様へ

我が国では少子高齢化を迎えて、地域の医療・保健・福祉・介護を取り巻く環境も大きく変化してきており、歯科医療・歯科保健の分野においても、地域住民のニーズ多様化に積極的に対応しなくてはいけない時代となりました。短命県でもある青森県を健康長寿に希望が持てる社会にしていくことが、青森県歯科医師会に課せられた使命であると認識しております。
さて、8020運動が始まってから30年以上が過ぎました。8020運動とは、厚生労働省と日本歯科医師会が中心となり、80歳で20本以上の歯を残し、生涯に渡り自分の歯で食べられることを目標とした国民的運動です。令和4年度の調査では8020達成者が51.6%であり、80歳の2人に1人は20本以上歯を有する時代になりました。
当会では、平成21年から「8020健康社会宣言」をしております。8020健康社会とは、県民の皆様が生涯にわたり自分の力でものを食べ、楽しく会話ができ、健康で質の高い生活を送ることのできる社会です。8020健康社会実現のため、私たち青森県歯科医師会会員は、地域の『かかりつけ歯科医』として歯科医療、歯科口腔保健活動を通じて県民の皆様の生活を支援していくことを宣言し、日々課題に取り組んでいるところです。
短命県返上と県民の皆様の健康長寿延伸に寄与するため、歯科医療・歯科保健をさらに充実させ、8020運動の発展と進化に務めて参ります。また、今後は生活の質に関わる口腔機能の向上に関しても、県内の医療・介護・福祉関係職の皆様と密接な連携を保ちながら、共に取り組んで参ります。
口腔の健康維持には、乳幼児から成人、高齢者、寝たきりや認知症など障がいのある方々に対して、『かかりつけ歯科医』として優しく寄り添いながら、適切な治療やケアをすることが欠かせません。幼少期のうちから正しい食習慣や歯みがきを身につけるためにも、近隣に『かかりつけ歯科医』を持って頂きたいと願っております。
また、平成30年度の1歳6か月児、3歳児健診でのう歯有病率全国ワースト1となったことを受け、う蝕予防並びに短命県返上のための健康教育として児童生徒のフッ化物洗口を推進しております。令和4年度より関係各所のご協力を得てマニュアルの作成や研修会などを行い、現在、県内小中学校のフッ化物洗口実施施設率は40%を超え広がりを見せており、フッ化物洗口が広まってきております。
最近では健康に関わる口腔と全身の相関が証明され、とりわけ歯周病と糖尿病の関連性が注目されております。今後とも、青森県が取り組む医科歯科連携事業に協力していきます。
今後も青森県歯科医師会会員は、県民の皆様の健康を第一に考え、歯科医療や歯科口腔保健活動に邁進して参ります。是非、このホームページをご覧になって、口腔機能の重要性を認識して頂き、「8020健康社会」の構築がいかに健康長寿に寄与するか、ご家族や知人の方々にもお伝え頂ければ幸いに思います。
一般社団法人 青森県歯科医師会
会長 福士 賢治