「ためになる歯の話」 No1 No2  No3  No4 No5 No6  No7  No8  No9  No10  No11 -> No20  No21 - 30 No31 - 40 No41 - 50

1 第1話「8020運動」
2 第2話「自分で健康管理」
3 第3話「人生と歯」
4 第4話「予防と定期健診」
5 第5話「予防と早期治療」

6 第6話「かかりつけの歯科医院」
7 第7話「きんさん、ぎんさんの話」
8 第8話「歯 の 痛 み」
9 第9話「ストレスの悪影」響
10 第10話「口臭が気になる」

 第1話「8020運動」 

 日本人の平均寿命は世界一となりましたが、歯の寿命はまだ五十歳程度というの が現状です。そういう中で歯の健康づくりを積極的に推進するための歯科保健の到 達目標として、日本歯科医師会で提唱されたのが「8020運動」です。歯の残存 本数が約二十本あれば食品の咀嚼(そしやく=咬みくだくこと)が容易であるとさ れており、日本人の平均寿命である八十歳で二十本の歯を残すという目標の運動で す。このスローガンは、残存歯数と快適な食生活との関係という上で理解されやす く、次第に浸透してきております。  老後の楽しみの一つは食事であるはずです。食事を楽しむためには、食べたい物 をなんでも自分の歯でかめることが必要です。よくかむことによって歯は骨植堅固 になりあごの骨の発育を促します。さらにだ液がよく出て食物中の毒を消し、歯肉 の炎症を抑え、胃の負担を軽くします。また、だ液の中にはぼけを予防する物質が 入っているといわれております。  これだけではありません。かむことにより大脳の血流量が増加し頭の回転がよく なるばかりでなく全身の筋肉が丈夫になります。「8020運動」は、歯の健康にと どまらず全身の健康にとって意義のある運動といえます。単に命をながらえるだけ の長寿社会ではなく、健康で実り豊かな生活を楽しむことのできる長寿社会にしな ければならないと叫ばれているこのごろ、食を楽しみ、会話を楽しみ、大いに笑い、 交流を楽しむという「生きがい」を支えているのが健康な歯なのです。  「8020運動」は、老年期に限った運動ではありません。胎生期にある母体の中 から、もう既にその活動が開始されているのです。現在、二十本の歯を有している 年齢はおおむね五十歳。「5020」にしかすぎません。実に「8020」との間に は三十年もの開きがあります。不幸にして歯を失った場合には、残存歯の保護と機 能回復のためにもブリッジや義歯などの欠損補綴(ほてつ)の必要があります。 「齢」という字さえも歯が重要であると訴えています。心と体のバランスのとれた 健やかな成長を支える歯をもっと大事にしてほしいというのが歯科医師会の願いです。 (県歯科医師会)



第2話「自分で健康管理」  上へ

 医療ビッグバンといわれるこの時代、国民は自分の身は自分で守っていかなけれ ばなりません。つまり、病気になる前に自分でできる可能な注意を払わなければな らないのです。  医療ビッグバンとは、医療・保険・福祉の行政体系が一変することですが、この ようになった最大の理由は、国にお金がないからです。国の財政問題が解決されな い限り、以前のような厚生行政サービスはもう受けられないのです。  わが国の平均寿命は、生活環境の改善や医学の進歩により、世界トップクラスの 水準に達しています。しかし、急速な高齢化とともに、疾病全体に占める、がん、 心臓病、脳卒中、糖尿病等の生活習慣病の割合は増加しているのです。  これに伴い、要介護者等の増加も深刻な社会問題となっています。そこで、国民 が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするためには、従来にも増して健康 を増進し、発病を予防する対策を強力に推進していかなければなりません。壮年期 死亡の減少、痴ほうや寝たきりにならない状態で生活できる期間(健康寿命)を長く することが、極めて重要となっているのです。  歯科保健の分野でも、八十歳で二十本の歯を残そうという「8020運動」が提唱 されています。この運動は母体での胎生期から始まり、乳歯を大事にすること、そ して、虫歯と歯周病から永久歯を守ることです。特に歯周病は、中高年から歯を失 う一番の原因であり、また、肺炎や心臓病、脳血管疾患、早産などを引き起こし、 糖尿病を悪化させるといわれているのです。  このような歯科の生活習慣病を予防するためには、生活習慣の改善と定期的なチ ェックとクリーニングが不可欠です。病気にならないように気をつけようという健 康管理への注意が大切なのです。残念なことに、現在八十歳で残っている歯は平均 ではたったの六本なのですから。 (県歯科医師会)


3 人生と歯  上へ

 人生は歯のようなもの、充実した日々を過ごせるのを人はあたりまえと思ってい る、毎日なんでもかめるのを人はあたりまえと思っている、けれど、あるとき突然、 歯もこわれはじめる、人生も同じ、むずかしいことに出くわす、このときになって その大切さに気づく、そして、あわてて救おうとこころみる、もとどおりにするこ とのむずかしさに、ためいきをつく、抜かずにすますには苦労の連続、まるで人生 のように  これはフランスのシャンソン歌手、セルジオ・レジャーニが歌っている歌詞を日 本の歯科大学教授が訳されたものです。  私たちもこのコラムで、生活に身近なものと比較しながら、歯の大切さを書いて います。しかし、これほど直接的に、人生と歯を結びつけて考えたことはありませ んでした。生活の身近なものを題材にして人生を歌うシャンソン歌手ならではの視 点で書かれています。  私たちは歯医者の立場から歯を中心にして考えがちですが、このシャンソン歌手 は、歯を生活の中にあるごく普通の題材としてとらえています。  しかし、その歯というものの大切さは、人生に比較し得るほどのものであると歌 っています。最近、クオリティー・オブ・ライフ(人生の質)という言葉をよく耳 にします。人生の質を高めるために、歯の大事さを歯を失う前に知っていただき、 歯を生涯を通じての伴りょとしていただきたいと思います。 (県歯科医師会)


4 予防と定期健診  上へ


 今年は、昨年後半からの沈痛な世界情勢と国内景気の低迷の中で、波乱の幕開け となりました。寒さも一層、身にしみるこのごろです。すがすがしい新年の風です が、なぜか頭と歯がすーすーします。思わず頭をなで、口を閉じねばなりません。 長ーい友達のはずの髪は、年とともにもうあまり残っていません。そして歯は…。長 く伸びて、出っ張ってきています。しみるわけです。  「芸能人は歯が命!」というコマーシャルがありましたが、歯も髪も自信喪失気味 です。年を―つ取るたびに、どんどん自信がなくなり寂しくなってきます。  日本歯科医師会は、八十歳で二十本以上の歯を保って丈夫で健やかに生きましょう という、「8020(ハチマル・ニイマル)運動」を進めています。しかし現実に八 十歳で残っている歯の本数は、スウェーデン二十本、アメリカ十三本、日本はたっ たの6本なのです。自分の歯で食べることも、歯をくいしばって踏んばることもで きない本数です。  なぜ日本人はこんなに歯を失うのでしょうか。さかのぼれば、お母さんの妊娠初 期から歯の芽が出現し、歯の一生はスタートします。―歳半児健診の時にはほとん どなかった虫歯が、三歳児健診の時にはあっという間に増えてしまう現状がありま す。乳歯はどうせ生え替わるから、虫歯になっても治療する必要がないと考えてい るお母さんが案外多いのです。  乳歯がぼろぼろになったり、乳歯を早く失ってしまうとあごの発育や永久歯の生 えるスペースが十分でなくなり、永久歯の歯並びが悪くなったりします。一番の問 題は、歯磨きの習慣を身に付けられなかったために、永久歯も早期に失ってしまう ことです。歯は私たちの生命を保つために黙々と働き続け、虫歯や歯周病の疾病に さらされながら、私たちの命が尽きるまで働き続けてくれたとき、初めて永久歯と いえるのではないでしょうか。  歯の病気の予防と治療に大切な「早期発見、早期治療」ができる最も良い方法は定期 健診です。乳幼児の場合、虫歯の進行が早いことや永久歯との生え替わりがあるた め、三、四ヵ月ごと、大人の場合は半年ごとに健診を受けることをお勧めします。 特に三十歳代から急激に歯を失う原因である歯周病に対しては、歯科医院での定期 健診と歯こう、歯石の除去が不可欠です。  歯を人生の長い「パートナー」にしていただけるよう歯科医師会は努力してまい ります。 (県歯科医師会)


5.予防と早期治療  上へ


 歯医者へ行くほどおっくうなことはないとよく言われます。事実、歯が痛いとか 気になるところがないと、なかなか歯医者に足が向かないという人は多いのではな いでしょうか。過去一年間に歯医者へ行った人の割合は、日本の平均約40%に対し、 アメリカははるかに多く約70%となっています。アメリカの人はそんなに歯が悪い のでしょうか。いえそんなことはありません。むしろ全年代を通して一人当たりの 虫歯の数、治療した歯の数、抜いた歯の数とも日本より少ないのです。  では治療費が安いからというとそうではありません。アメリカには日本のような 国民皆保険制度がないので、私たちが想像できないような高額な治療費がかかりま す。なぜアメリカの方が歯科受診率が高いかというと、アメリカ人は定期健診と予 防処置のために歯科医院を訪れているのです.  アメリカは合理主義の国で、具合が悪くなって高額な治療費を支払うくらいなら、 予防に力を注いで病気にならないようにした方がいいという発想なのです。その方 が治療費も安く済みますし、通院回数も少なくて済むからです。私たちの日常の診 療においては、歯のチェックをしてくださいとか歯のそうじをお願いしますという 方はとても少ないような気がします。  さらに気になるのは、歯の悪い方ほど治療が長続きしないことです。痛い時だけ 歯医者に行くというのは、治療した穴が増えるだけでますます歯を悪くしていきま す。  国民皆保険制度の日本ですが、財政問題は深刻化してきています。これまでの「 安全と医療は国が守る」という考え方から「身の安全と健康は自分で守る」という意 識改革が必要になるのではないでしょうか。  アメリカでは治療費がものすごく高いにもかかわらず受診率が高いというのは、 一見矛盾したようにみえます。しかし病気の予防や早期発見、早期治療が自分の健 康のためにも、また経済的にもよいことだという観念が定着しているからです。  日本でも今後、国民の医療費負担が増えていく状況にあります。健康は自分で守 るという予防意識を持ち、街の歯医者を気軽に利用してください。歯のおそうじを するだけで確実に歯の寿命が延びるのです。 (県歯科医師会)

6.かかりつけの歯科医院  上へ


 皆さんは美容院や理容院を利用する場合、ほとんどの方は「行きつけのお店」が あると思います。それは気心が知れて行きやすかったり、あなたの髪形の好みや髪 の特徴をよく知っていてくれるからだろうと思います。  実際、定期的に行かなくてはならない所ですから、あまり変えたくはないもので す。  ところで、歯科医院は痛くなったら行く所なのでしょうか?歯科医院を訪れる理 由の多くは、痛い、はれた、詰め物がとれた、などです。  特に痛みがでたときには、病気が進行した場合が多く、治療にかなりな時間とお 金がかかり、さらには痛みも伴います。  しかも、どんなに時間とお金をかけても削られた歯や抜かれた歯は、再生された わけではなく一生戻ってこないのです。歯医者イコール行きたくない所と考えるの も無理がないかもしれません。  しかし、病気になる前に予防さえしていれば、歯科医院で「恐怖の体験」をする ことは、ほとんとないのです。  一年間も髪を切らないという人は、めったにいないと思います。なのに、毎日酷 使されている歯のチェックをしに歯科医院へ行くのに、何年もかかってしまうのは なぜでしょうか?  せめて半年、長くても一年に一度の歯のチェックやクリーニングを受けるため、 歯科受診をされてみてはいかがでしょう。歯も髪と同じように、毎日の手入れと定 期的管理をしていけば、抜け落ちることを遅らせることができるかもしれません。  歯科の病気は、予防が効果的な生活習慣病といわれています。病気を防ぐには、 自分の体を知ることがまず大切なことです。  まして口の中は、直接、目で見たり、触ったりすることができますし、簡単なエ ックス線撮影で、歯周病の進行程度や虫歯、根の病気があるかなどが分かります。  あなたの口の中の状況は「かかりつけ歯科医」が一番よく知っています。美容院 や理容院へ行くイメージで、あなたの歯を一緒に守ってくれる「かかりつけの歯科 医院」を持ち、年に一度か二度は訪れてみてください。いろいろ相談にのってくれ ると思います。 (県歯科医師会)

7.きんさん、ぎんさんの話  上へ

 ひところ、日本中の話題を集めた、名古屋の百歳を超えた双子の姉妹、きんさん、 ぎんさんがお亡くなりになり寂しい限りです。  お二人は何にでも、やる気おう盛で、興味を持つ好奇心の塊ともいえる姉妹でし た。それ故、何げないしぐさがとてもかわいらしく愛きょうのある存在でした。お 二人は双子ですからよく似ているのですが、どちらかというとぎんさんの方がふっ くらとしてお若く見えました.  その訳はよく見ると歯でした。きんさんには歯は一本もなく、ぎんさんには上の 前歯が五本残っていました。歯が少しでも残っていると、歯の根が植わっているあ ごの骨が吸収されないので、歯ぐきもやせず、ふっくらして見えるのです。  きんさんはいつもあごを上下に動かしています。ぎんさんは時間をかけてよくか んでいます。このときのあごの上下運動は、脳の方へ血液や栄養を送り込む「ポン ピング」といい、脳の血の巡りをよくするための大事な運動です。  高齢になると、だれでもだ液の分泌量は減少します。それに加えて歯を失うと、 だ液の量はさらに少なくなります。だ液が少なくなると食べ物を食道へ送り込むこ とも難しくなってしまいます。  また、歯がないと、魚の小骨などの異物を感知できずに、のどや口の粘膜に剌し てしまったり、もちなどをのどにつまらせたりします。あごの上下運動をよくして、 十分注意してのみ込むことが必要です。きんさんもぎんさんも食べる時には不自由 を感じておられたようです.  異物を振り分ける精巧なセンサーでもある歯は、人間にとって大事な宝物です。  やはり「8020運動」のように、八十歳で何でも苦もなく食べられる二十本の 歯を残せるよう努力するのが何よりなのです。 (県歯科医師会)

8.歯の痛み  上へ


  「歯が痛むのですけれど、今忙しいので薬だけください」。こういう患者さんが よく来院します。しかし、症状が分からなければ薬の出しようもありませんし、処 置をしないと薬の効果はほとんどありません。  また、以前とても歯の痛い時があったのですが、忙しいので我慢していたら、い つの間にか痛みがなくなってしまいました。今度また痛くなったら治療してもらお うと思っています。こういう患者さんもよくいます。  しかし、歯の痛みは急性の激しい痛みがいったんおさまってから、慢性へと移行 します。決して治ったのではなく、どんどん病気が進行しているのです。  日常、患者さんが歯の痛みとして訴える原因は次の三つに分けられます。  @歯髄(歯の神経)の炎症による痛み  A歯根の先端付近の炎症による痛み  B歯肉に関連した炎症による痛み  @の歯髄の炎症は、虫歯が歯髄に近い所まで進行した場合に起こり、大きな痛み がありますが治療すればすぐに痛みがとれます。治療しないで痛みに耐えていると、 歯髄が死んで痛みがなくなることもあります。しかし、このまま放置すると、根の 先の骨が溶かされ、そこにうみがたまリAの状態に移行していきます。  Aの場合、炎症が慢性的に進行しているうちはあまり自覚症状はありませんが、 体調や歯の状況の変化が加わると、激しい痛みとはれが出てきます。治療回数が増 え、抜歯となることもあり、時には生命にかかわることもあります。  Bの歯肉の炎症による痛みも、ほとんどはれを伴います。我慢して治療を受けな いでいても痛みが消え、治ったように思える場合もありますが、これも慢性的に進 行している状態になっただけなのです。必ずまた急性化し、大きな痛みとはれが襲 ってきます。この場合も放置すると、抜歯となることもあります。  このほかにも痛みの出る原因はいろいろありますが、早期治療が重要であること は間違いありません。薬だけで我慢していたり、放置しておくと必ず次の痛みと、 慢性化して取り返しのつかない状態になります。歯の病気は自然に治ることはない のです。 (県歯科医師会)

9.ストレスの悪影響  上へ

ストレス社会といわれている現代、ストレスといかにうまく付き合っていくかが、 口の中の健康保持にとって重要な課題です。  適度なストレスは、人間の心と体の向上にとって必要であり、気が充実すること により、免疫活性が高まるといわれています。  しかし、そのストレスも度を越すと、心身にいろいろな悪影響を及ぼしてしまい ます。口の中も例外ではありません。  ストレスがかかると、交感神経が刺激され、末しょうに血液が通いにくくなりま す。末しょうである歯肉の血液循環は極端に悪くなってしまいます。このために、 歯肉や粘膜は、どす黒くなり、歯周病(歯槽膿漏=のうろう=)になりやすくなっ てしまうのもこのためです。多量の喫煙によっても同じようなことが起こります。  時によって、ストレスは歯ぎしりや、食いしばりを起こすために、歯やあごの関 節にも障害を与えてしまうこともあります。歯ぎしりをする癖のある人は、歯に横 からの力がかかるために歯が動揺を来し、起床時、歯が浮いたような感じがしたり します。食事の時に痛くて歯を合わせられないなどの症状が表れることもあります。  最近、子どもにもストレスや食生活の変化が原因で、不正咬合(こうごう)や虫 歯・歯肉炎(歯の周囲の歯肉だけに限局した炎症)などが増えてきています。  不正咬合はストレスや、軟らかい食べ物の多い食事でかむ回数が減少し、かむの に必要な筋肉を使わないために、あごの成長が未発達になってしまうことが原因で 起こることが多いです。  また、虫歯や歯肉炎も、ストレスや、あまりかまなくてもよい食事で、だ液の分 泌量が低下するため口の中がネバネバして、細菌が洗い流されずに繁殖しやすい状 態になってしまうことが原因で起こることが多いのです。  不規則な時間に食事を取ることも、口の中の清掃をおろそかにしてしまいがちな ので、虫歯や歯肉炎を引き起こしてしまいます。  ストレスが原因とか心のぬくもりを得るためといわれる子どもの指しゃぶりも、 将来の歯並びに悪影響を及ぼすことかあります。  大人も子どももストレスをあまり抱えこまずに、リラックスしていきたいものです。 (県歯科医師会)

10.口臭が気になる  上へ

 「最近、家内から口が臭いと言われるんですよ。自分は気にならないのですが」と訴 える患者さん方が結構来院します。口臭は他人から指摘されて初めて気づくことが 多いようです。  原因の多くは虫歯、歯周病(歯槽膿漏=のうろう)、歯垢(しこう)、歯石といった 口の中の病気と汚れです。不潔な義歯(入れ歯)や、舌の上の汚れである舌苔(ぜっ たい)も口臭の原因となります。歯にかぶせている冠がぴったりしなくなったり、 セメントが溶けて浮いてきたりすると冠の内部が腐って、いくら歯磨きしてもにお いがとれない場合がよくあります。  虫歯も大きくなると常に食べかすが入り込み悪臭を発しますが、虫歯はほとんど は自覚できます。それに引き換え、歯周病は歯茎が腫(は)れたり、歯がぐらつい てくるまで進行しないとほとんど自覚できません。歯周病菌に冒されると歯茎から、 いつもうみがじわじわと出てきます。このうみが腐敗臭を発するわけてすが、常に 飲みこむことにもなリ全身的にも悪影響を及ぼすと考えられます。  最近では小学校高学年の児童にも、このような歯周病の状態が見られることが多 くなりました。虫歯や歯周病を治し、口の中の汚れを歯科医院と協力してコントロ ールしていくことにより、大部分の口臭はなくなっていくはずです。  そのほかに鼻、のど、食道、胃、気管、肺などの病気や血液疾患、糖尿病などが 口臭の原因になることもあります。もちろん、ニンニクやお酒を飲食したときも一 時的に口臭があります。それから本人の思い込みで、本人だけが感じる心因性の口 臭を訴える場合も時々あります。これは現代社会の複雑な病根を反映したものと思 われます。  いずれにしても口臭の原因の多くは口腔(こうくう)内に原因していることが多い ので、まず歯科医院で相談されることをお勧めします。  歯や歯茎は毎日、いろいろなものを食べたり、飲んだりするために酷使されてい ます。その割に定期的な健診がおろそかになっているような気がします。自動車で さえ、定期的なチェックと整備が必要なのですから。 (県歯科医師会)

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